体感温度

体感温度は身体が総合的に感じている温度のことで空気の温度ではありません。夏になると体感温度ということはがメディアで頻繁に取り扱われるのでおおまかには分かると思います。体感温度は熱的に限定する場合と総合的に検討する場合に大きく分けられます。

まず熱的に限定すると、空気温度と湿度、気流、放射熱、着衣量、活動量(代謝)によって変化します。総合的な場合には心理的な感覚が更に加わります。日本には季節に応じてしつらえを換えるという文化があります。4つの季節に4つの雨期、二十四節気、七十二候に応じて生活の有様を換えてきました。例えば、夏になると青系に、冬になると橙系にしつらえを換えることによって、涼しさや暖かさを得ていました。視覚的な効果です。また、夏に風鈴や水の流れる音を聞くと涼しさを得ますが、蝉の鳴く音を聞くと暑さを感じます。聴覚的な効果です。その他、嗅覚的なものもあるとは思いますが、いずれも育ってきた環境が影響する心理的な効果が上乗せされます。似た生活環境と文化を持つ者のみが共有できる感覚だと思われます。このあたりのことは、人により大きく異なり定性的なことなので、熱的に限定してみます。

人間が感じる暑さ寒さは、例えば冬季は、太陽からの日射が強くなれば暖かく感じ、風が強くなれば寒く感じ、湿度が高くなれば暖かさを感じ、冷やされた路面は直接触れることができないほど冷たく感じられます。冬季の屋外空間では、人体への気流の影響が強く現れ、身体冷却が加速度的に進み凍傷などの寒冷障害の危険性が増します。身体からの不感蒸泄により、湿度が低くなると人体の潜熱負荷が大きくなります。加えて、代謝量を増加させたり伝熱面積を少なくするなどの行動性体温調節をおこなっても、気温が低い場合には体感温度を改善させる効果が低くなります。