熱の伝わり方と感覚

室温というものが何を捉えているかにもよりますが、室内の空気の温度という捉え方をして説明をします。熱の伝わり方で説明したように、エアコンは空気を媒体として熱を伝えています。エアコンに接触した室内空気を室内の他の空気と混合しながら室温を保っています。常に空気の動き”対流”を作らないと室内の空気を暖めることができません。通常の室内は空気温度よりも壁や床などの室内の表面温度は低くなっています。したがって、空気の対流によって身体に熱が与えられても、壁や床などから赤外線による放射によって熱が奪われています。一方、放射熱は伝達物質を介さずに熱が伝えられ、物質の温度を上げる効果を持っています。放射熱を利用したラジエータなどのヒータ自体も発熱体なので、接触した室内空気は暖められて自然に空気が上方へ移動しますが、エアコンに比べるとその効果は極端に小さな物です。ラジエータ自体でエアコンと同じ室温がつくられた状態であれば、放射によって床や壁が充分に暖められ、室内の空気が接触することによって暖められ室温が高くなります。したがって、床や天井の表面温度の差が人体からの放射による熱を奪う量の差となって現われるために、ラジエータの方が暖かく感じることになります。もう一点は、エアコンからの暖気を直接身体に向けることはありませんが、ラジエータの放射熱は身体に直接作用している点があります。極端な例示をすると、反射式のストーブの前面では、暖かいのに、裏面では寒さを感じます。同じ室温にも限らず、裏面では放射が遮蔽されたために暖かさを感じないのです。