希求される風

身体が風を欲したり避けたりする際は、積極的に体感温度を調整したいと感じる時となる。これは身体がほてっているような体温が高い時や身体が冷えてるような体温が低い時に起こる。全く同じ風でも、体感温度が呼び起こす快適性は身体の状態に大きく影響される。積極的に体感温度を調節する際には、風が即効的な効果に強い影響を及ぼしている。

体感温度の調節には風を受ける身体の面積や部位が影響すると述べた。強制的に身体に風を当てる行為には団扇や扇風機などが起こす風があるが、これらの風の多くは身体にスポット的な風を当てることになる。

人は積極的に体感温度の変化が呼び起こされる部位に風を当てる行動性体温調節をする。身体に風を当てる面積が小さくなると速い風速を好む傾向がある。これは、体感温度を調節する際に重要となる伝熱面積が小さくなることに起因している。伝熱面積が少ないということは熱交換量も少なくなるために、風による生理的な冷却効果は小さいと考えられるが、心理量の変化が大きい部位に風を当てる行動性体温調節のために心理的な冷却効果は大きいと考えれる。

しかし、身体の一部を風に曝すことは身体を不均一な状態にすることにもなる。足部と頭部周辺の空気温度の差が3℃以上となると不快と感じるようになると云われている。頭寒足熱とも云われているが、体温調節部位となる下肢部に風を当てて身体の冷却が強くなると不快感が助長される。高齢者の場合には温熱感覚の発現の遅れによる体温の冷却や鬱熱が起こるので、不快感だけの問題では片付けられなくなる。頚椎損傷者などの障碍者も同様なことが起こる可能性がある