快適環境の条件

空気による対流ではなく、赤外線による熱放射や姿勢を変え接触面からの熱伝導による効果を積極的に利用することが健康を害さずに快適に過ごすポイントと考えています。空間や設備だけではなくそれを有効に活用する生活者の行動も重要といえます。

夏季の空気系のエアコンではエネルギーを多量に使い、締め切った生活を強いられます。暑い室内空間では加熱分解により様々な物質から揮発性有機化合物が室内に放出します。これが化学物質過敏症やシックハウス症候群の原因となっています。窓を開け、風やカーテンの揺れ、緑を眺めることでも感じ方はかわります。例えば、床冷房とまではいかないにしても、板敷の空間に腰を下ろして姿勢を変えれば熱伝導の効果で体感温度は改善します。また、土間などの冷熱源の効果も見逃せません。夕方に打ち水をすることも冷熱源を作ることにも繋がります。

寒い室内空間では燃焼系の暖房器具により二酸化炭素や窒素酸化物、一酸化炭素も発生する場合があります。夏季と同様に換気をすることが不可欠ですが、普段の生活ではなかなかできていません。やはり空気系で暖房することも締め切ることが必要となります。夏季と同様に床暖房とまではいかないにしても、電気カーペットなどの表面温度が高くなく面積の大きな機器に接触面積が大きくなるように姿勢を変えて身体を近づけると伝導と放射の効果でほのぼのとした快適さを享受できます。

いずれにしても、空間全体を冷暖房するとエネルギーの多量消費となり、必ずしも空気環境のあまり良い状態とはなりません。例示したように伝導と放射を積極的に利用することを選択したほうがよいといえます。特に暖房の場合には、暖身といった放射熱を利用した採暖行為と器具の移動を伴う持ち込みによる空間移動ができれば、エネルギーの節約と空気環境の汚染もなく健康で快適な室内環境を形成できる可能性があります。熱源が小さいので、身体の近傍の環境を改善するもみとなりますが、のぼせることもありません。加えて、休息する際には、ふと器具の方向を向いて手をかざすという行為をとりますが、この行為を取ることもできます。